ラグビーをプレーするにしても観戦するにしてもある程度のルールは知っておかなければおもしろくありません。しかし、これを知っておかないとルールを説明しようとしても伝わらないという内容もあります。ラグビーで使われる名称や全てに共通する規約や用語です。

改訂項目も記してくれている正規のルールブック(ラグビー競技規則)は約200ページくらいですがわかりにくいです。
市販されているルールブックの方が分かり易いですが全てが書かれている訳ではありません。
ただ、できるだけ新しいルールブックであれば「プレー」、「観戦」する上では問題ありませんので数冊読んでみるといいでしょう。
少なくとも、高校生よりはルールに詳しくなれるかもしれません。

ここではルールを説明、適用させる上でも知っておくとはやい共通の項目や名称を説明しておきます。

ワールドラグビー競技規則の序文と精神

これがルールブックの一番最初です。
(読まなくて良いですが、「ルールを守り安全にプレーできるようにプレーヤーだけでなく指導者および地域・協会も協力しましょうね」、と書かれています。)

序文
ラグビーフットボール競技の目的は、それぞれ15名、10名、または7名からなる2つのチ一ムが、競技規則およびスポーツ精神に則り、フェアプレーに終始し、ボールを持って走り、パス、キックおよびグラウンディングして、できるかぎり得点を多くあげることであり、より多くの得点をしたチームがその試合の勝者となる。
競技規則は、19歳未満標準競技規則を含め完結したものであり、競技を正しくフェアーにプレーするのに必要なすべてがその中に記されている。
ラグビーフットボール競技は、身体接触を伴うスポーツである。身体接触を伴うスポーツには本来危険が伴う。プレーヤーは、競技規則を遵守し、自分自身と他のプレーヤーの安全に留意することが特に重要である。
プレーヤーは、責任を持って、ラグビーフットボールをプレーできるように身体的かつ技術的に準備し、競技規則を遵守し、安全に参加できるようにしなければならない。
ラグビーフットボールの指導者は、プレーヤーが競技規則を遵守し安全にプレーできるよう責任を持って育成しなければならない。
ワールドラグビーの理事会が規則を試験的に適用することを承認する場合を除いて、あらゆる試合において、競技規則のすべてを公平に適用するのはレフリーの職務であ
る。
ラグビーフットボールは、いかなるレベルにおいても、協会の責任のもと、スポーツ精神に基づく規律ある健全な競技として行われなければならない。その遵守は、単にレフリーにのみ委ねられるのではなく、地域・支部協会およびチームが、その責任を負うべきものである。

精神
ラグビーの魅力の多くは、ラグビーが競技規則に記された文言に従うとともに、競技規則の精神の中でプレーされているという事実にある。これが確実に起きるようにす
る責任は一個人に帰するものではなく、コーチ、キャプテン、プレーヤーそしてレフリーを含むものである。

グラウンドの大きさと名称

ラグビーのグラウンドにはいろいろなラインが引かれています。
役割と名称がありますので先ずは名称をみておきましょう。

協会として認定できる公式試合のグラウンドの広さは上限と下限が決まっています。
競技区域と周辺地域を含め競技場といいますが競技区域の、
縦の長さは100m、横幅の長さは70mと決められています。
条件次第で94~100m、68~70mの範囲で認められます。

真ん中のハーフウェイラインでキックオフして試合が始まります。
当然のことですがハーフウェイラインを基準に左右対称な形となっています。
違いがあるとすれば、
風上か風下か、太陽が逆光か順光か、味方ベンチの位置、味方応援団の位置
といったところでしょうか。
試合前のコイントスでボールをとるか陣地を選ぶかは風を考える場合が多いのでしょうか。
前半で風を利用するか、後半で利用するか、スタミナ状況でも変わるでしょうから。
力の差のあるチームどうしの試合では「あまり気にしていない」とそのキャプテンはいってましたけど。
ラグビーはあくまでプレー中は平等なのです。笑

ルール上必要で変えてはならないのは、
縦方向に(ゴールラインに平行、タッチラインに垂直)
10mライン、22mライン、5mライン
横方向に(タッチラインに平行、ゴールラインに垂直)
5mライン、15mライン
があります。
10mラインはハーフウェイラインから10m
22mラインはゴールラインから22mですので間違えないようにしましょう。

縦、横の5mラインはその内側でしかスクラムやペナルティーキックなどのプレーをリスタートしない距離です。
15mラインはタッチ際での反則などの後のプレー再開時に使われるライン(距離)になります。

競技中にどのようにルールに適用されるかは各ルールで詳しく見ていくことにします。

ゴールライン上中央にあるゴールポストとクロスバー(Hポール)

これはしっかりと決まりがあります。

間隔はポールの左右内側の間が5.6mです。
クロスバーの高さはバーの上側までが3mです。
ポストやクロスバーにあたっても、この間に入ればトライの後のコンバージョンや反則の後のペナルティゴール、試合途中でのドロップゴールは成功となります。

ポールの高さは高い方に制限はありませんが、最低でも3.4m以上必要です。
もしポールの高さが5mだったとしてもその延長にはポールがあると仮定されますので、ポール以上の高さでの判定はマッチオフィシャル(審判団)によって行われることになります。
ワールドカップは17mのポールの高さでしたが、トップレベルの選手になるとキックの高さもかなり高くなるので高い方が判定しやすいですね。

高校生やスクールで利用する際は、会場設置を高校生がすることもあります。
その際17mのポストを設置できるかといえばできません。
相当な重量になりますし危険で、設置に問題が出てきますのでポールが高ければ良いとも言えません。
だいたい会場に用意されているポールは決まっているので、大会レベルに応じた会場選びが大切ですね。

ちなみにですが、
サッカーのゴールの大きさは、
「横幅 7.32m 高さ 2.44m」(内寸)
です。(バーは12cmの四角か丸)

実は重要ではないポールとクロスバーの規定

何故かというと、知らなくてもプレーはできるし観戦もできるからです。笑

そもそも試合前に高さや間隔を測定しているかというと、余程の大会で無い限りしていないでしょう。
ポールを支える位置は固定されているし、クロスバーの高さが違っていても気がつきません。
たまにポールが曲がっている会場がありますが、地方のいい加減な管理地域だけです。
気にしないでおきましょう、というくらい厳密ではありません。笑

「ちょっと違う」、それくらい問題ないのがポールとクロスバーなのです。

フィールド上のラインについても同じことはいえますが、
プレーするにしても、観戦するにしても問題ないし気にもなりません。

ただ、一応規定はありますよ。
ということで説明しておきました。

ラインの名前は知っておいた方が、観ていて分かり易いというのは確実にあります。
「どうでもいい」という人はどうでもいいので楽しく観戦して下さい。

プレーする人は、
覚えておかないと試合に出してもらえる機会は確実に減る
とだけいっておきます。

ルールを知らない人はペナルティーが多くなります。
ペナルティーが多くなれば試合で不利になることは間違いなく、
ルール知らないからおとなしくしておこう、
と何もできない選手を出すことは普通の指導者ならしませんから。

だから、プレーヤーならルールに含めて覚えておきましょう。